古じ満

 子供の頃、日曜日の夕ご飯は店屋物が多かった記憶があります。まぁ、今考えれば、かなり景気の良いお話ですけど、時代は高度経済成長も後半期が終わったばかり、ということあって感覚的には割と普通ではありました。ただこの資金源は、どうやら軍役が長かった祖父の恩給からのようでしたけど(笑)

『お寿司』『お肉さんのとんかつ』とかありましたけど、一番多かったのは出前専門の定食屋さんの丼物。お寿司以外は未だに健在で、当時の味を今でも食すことができます。それなりに舌の肥えた自分なので、決して絶品とは言い難いのですが‥‥記憶に刷り込まれた味覚の中毒性は恐るべしですね。
実家に帰ると、ついつい注文してしまいます。

 地元で『古じ満』というと、老舗の鰻屋さん。うなぎの相場が高騰し手が出しづらく‥‥なる前から、鳥重も密かに侮りがたく、生前祖母が、よくお店に連れて行ってくれました。

自分が社会人になり、いただいたお給料で祖母にご馳走したのも、ここの『鳥重』でした。今日はたまたま実家で店屋物として取ってもらい、久々に食することができました。少し焦げ目が多めですが、これが香ばしくて自分好み。箸で取って一口頬張ると、当時の記憶が蘇ってきます。自分にとってはちょっとしたタイムスリップ感が味わえます。